古物商でインターネット取引をする場合に必要な手続き
このページでは、インターネット取引により古物商を営もうとする場合に必要な手続きについて解説しています。
個人でこれから古物商を営もうとする場合、多くの人はインターネットを利用した古物の売買を行おうと考えているのではないかと思います。
また、すでに古物商を営んでいる方の場合であっても、これからインターネットを利用した売買を行おうと考えている方もいるのではないかと思います。
まずは、新規に古物商の許可を取って、インターネットを利用し、古物の売買をおこなおうとする場合について解説します。
許可申請書の書き方
インターネットを利用して古物の取引を行う場合には、許可申請書様式第1号その4において、「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により講習の閲覧に供する方法を用いるかどうかの別」の「1.用いる」「2.用いない」において、「1.用いる」を選ぶことになります。
そして、その下のマス目に、ホームページのアドレスを記入していきます。 記入例を参考にしてください。
例のとおりに、間違いやすい文字にはカタカナでフリガナを入れるようにします。
たとえば、「o(オー)」と「0(ゼロ)」、「1(いち)」と「l(エル)」などはフリガナを入れましょう。
必要な添付書類
申請書の他に必要な書類は、このホームページのアドレス(URL)の使用権限を疎明する書類です。
疎明というのは、完全に証明するまでとはいかないが、一応確からしいと推測できる程度のことで、次のどちらかの書類を準備しましょう。
- プロバイダやインターネットのモールショップの運営者からアドレスを割り当てられた際の通知書の写し等
- 独自ドメインの場合はWHOIS情報
二つ目の独自ドメインの場合は、WHOIS情報が、自身の名でなく、ドメインを取得した業者の名である場合がありますのでその場合は資料として使えません。
その場合は、変更を依頼してみましょう。
取引を行うホームページに必要なこと
また、許可申請時に、ホームページが開設されていなければなりません。 警察が審査する時にそのホームページ内容を確認するからです。
また、ホームページのトップページには次の3点の表記が義務付けられています。
- 古物商の氏名又は名称
- 許可をした公安委員会の名称(広島県公安委員会)
- 古物商許可証の番号(12ケタ)
また、すでに許可を得ている古物商が新たにホームページを開設して古物の取引を行う場合には、ホームページ開設後2週間以内に届け出なければなりません。
インターネットにおける取引の注意点
古物取引においては、取引相手である仕入先の本人確認が義務付けられています。 確認しなければならないのは次の事項です。
- 氏名
- 住所
- 年齢
- 職業
上記を用紙に記入してもらうなどして、運転免許証等を確認すれば完璧です。
一部例外を除いて、仕入れ価格が1万円以下の場合には、上記の本人確認は不要とされていますが、それでも18歳以上であることは確認しなければなりません。
この本人確認は、ネット取引においても行わなければなりません。
本人確認を行わなかった場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が規定されています。また、営業停止処分、許可の取り消しということもあり得ます。
ネット取引といえでもしっかりと本人確認をしなければなりません。
古物の仕入れにおいてヤフオクを利用する場合を考えてみましょう。
あなたが、古物の転売目的である物品をヤフオクで落札した場合、出品者の氏名、住所、年齢、職業を確認しなければなりません。
通常の取引であれば、氏名、住所、電話番号まではわかりますが、年齢、職業は不明です。
法律で非対面取引における本人確認の15種類の方法が規程されています。
古物取引が非対面で行われる場合の相手方の本人確認方法とは
をご確認ください。規定どおりに本人確認を行うためには取引相手の協力が必要です。
インターネットの特徴の一つに匿名性というものがあります。この匿名性と本人確認というのは相反するものであり、取引相手の理解が得られない場合があるということを十分考慮しておかなければなりません。
一部では、オークションの運営者が本人確認を行っているから問題ないという意見もありますが、法律をどう読んでも、そのような解釈には無理があります。
したがって、ヤフオクのようなネットオークションを利用した古物の仕入れはお勧めできません。
インターネットを利用した取引は販売のみ、または、仕入れの場合は完全に本人確認を行うことを同意した相手とのみ行うようにするべきです。