古物取引が非対面で行われる場合の相手方の本人確認方法とは
このページでは、古物の仕入れが非対面で行われる場合の仕入れ先相手の本人確認の方法について解説しています。
インターネット、高速通信網の普及により生活様式や経済活動には様々な変化が生じていますが、それは古物商においても当てはまります。
ネットオークションやフリマアプリを利用することも一般的なことになり、古物商の仕入れや販売においても重要な役割を果たしている場合もあります。
このページでは本人確認に関する情報をまとめていますが、対面取引と異なり、インターネットを利用した非対面取引においては、取引相手の真偽の確認が簡単ではありません。
犯罪の防止と被害の迅速な回復が散り引き相手の確認をすることの目的ですから、内容を一価値理解し、ルールどおり確実に行わなければなりません。
非対面における、相手方の確認方法は13通り規定されています。
- 1.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、印鑑登録証明書及びその実印を押印した書面の押印を受けること
- 2.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、相手方に本人限定受取郵便等を送付し、到達を確認すること
- 3.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、本人限定受取郵便により代金を支払うことを約束すること
- 4.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、住民票の写し等の送付を受けるか、又は身分証明書等に組み込まれた半導体集積回路に記録された本人情報もしくは本人確認用画像情報の送信を受け、相手方に配達記録郵便等で転送しない取り扱いをされるものを送付し、その到達を確認すること
- 5.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、身分証明書等若しくは住民票の写し等の内、いずれか二つの書類の写しの送付を受け、又は身分証明書等もしくは住民票の写し等の写し及び相手方の住所が記載された書類(補完書類)もしくはその写しの送付を受け、並びに相手方の住所宛に配達記録郵便等で転送市内取り扱いをされるものを送付し、その到達を確認すること
- 6.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、住民票の写し等の送付を受け、そこに記載された氏名を名義人とする預貯金口座への振り込みにより代金を支払うことを約束すること
- 7.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、身分証明書等の写しの送付を受け、その住所宛に配達記録郵便等で転送しない扱いをされるものを送付し、その到達を確かめ、記載された氏名を名義人とする預貯金口座への振り込みにより代金を支払うことを約束すること
- 8.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、古物商が提供するソフトウェハを使用し、本人確認用画像情報の送信を受けること
- 9.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、古物商が提供するソフトウェハを使用し、本人の容貌の画像の送信を受け、写真付き身分証明書等に記録された情報の送信を受けること
- 10.相手方から、電子署名が行われた住所、氏名、職業、年齢の記録の提供を受けること
- 11.2回目以降の取引で、1回目の取引において本人確認済であり、ID、パスワード等により確認すること
1.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、印鑑登録証明書及びその実印を押印した書面の押印を受けること
相手方に印鑑登録証明を取ってきてもらうように依頼しなければなりません。
実印を押印した書面は特に規定がありません。
相手が了承してくれたら最も簡単な手段かもしれませんが、印鑑登録証明の交付手数料200円程度の扱いをどうするか、少額ですが、同意しておいた方がいいでしょう。
2.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、相手方に本人限定受取郵便等を送付し、到達を確認すること
住所、氏名、職業、年齢さえ、教えてもらえれば、こちらの手間だけで可能な方法です。
本人限定受取郵便は、基本料金+一般書留の加算料金+本人限定受取料金105円 がかかります。
25gまでの定形郵便物の場合一般書留は435円の加算です。
送付するものは何でもいいですが、古物を送付してもらうときの自分の宛先を記載した送付状を送ってみるのもいいかもしれません。
3.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、本人限定受取郵便により代金を支払うことを約束すること
これは、支払いを現金書留で、本人限定受取郵便とする方法です。
現金書留の加算料金は、損害要償額によって変わりますが、例えば10,000円の場合、435円です。
4.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、住民票の写し等の送付を受けるか、又は身分証明書等に組み込まれた半導体集積回路に記録された本人情報もしくは本人確認用画像情報の送信を受け、相手方に配達記録郵便等で転送しない取り扱いをされるものを送付し、その到達を確認すること
住民票の写し等とは、次のようなものをいいます。
- 住民票の写し
- 住民票の記載事項証明書
- 戸籍の謄本又は抄本
- 印鑑登録証明書
また、この場合の身分証明書等とは、住所、年齢又は生年月日が記録された半導体集積回路(ICチップ等)が組み込まれたものです。
本人確認用画像情報とは、古物商が提供するソフトウェアを使用して撮影された身分証明書等の画像情報です。
上記のうちのどれか一つの送付を受け、かつ配達記録郵便(加算料金160円)かつ転送不要で何かを送り、到達を確認します。
転送不要にするには、封筒に「転送不要」と書くだけでOKです。
5.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、身分証明書等若しくは住民票の写し等の内、いずれか二つの書類の写しの送付を受け、又は身分証明書等もしくは住民票の写し等の写し及び相手方の住所が記載された書類(補完書類)もしくはその写しの送付を受け、並びに相手方の住所宛に配達記録郵便等で転送市内取り扱いをされるものを送付し、その到達を確認すること
たとえば、住民票の写しと運転免許書のコピーの送付を受けるか、または、どちらか1つと補完書類の送付を受け、かつその住所に配達記録郵便(加算料金160円)かつ転送不要で何かを送り、到達を確認します。
送付された証明書等を古物商側は保管しておかなければなりません。
補完書類というのは次のようなものをいいます。コピーも可です。
- 国税又は地方税の領収書又は納税証明書
- 社会保険料の領収証書
- 電気、ガス、水道等の公共料金の領収証書
- 上記以外に官公庁から発行された住所、氏名の記載のある書類
6.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、住民票の写し等の送付を受け、そこに記載された氏名を名義人とする預貯金口座への振り込みにより代金を支払うことを約束すること
住民票を受け取り、その名前の名義の預貯金口座番号等を教えてもらい、入金します。
古物商側の手間はあまりかかりませんが、住民票の写しをとって来てもらわなければなりません。
7.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、身分証明書等の写しの送付を受け、その住所宛に配達記録郵便等で転送しない扱いをされるものを送付し、その到達を確かめ、記載された氏名を名義人とする預貯金口座への振り込みにより代金を支払うことを約束すること
これは、5.で二つの証明書が必要だったものを一つにして、その代わり、6.と組み合わせたものです。
- 身分証明書+配達記録、転送不要郵便+口座振り込み
8.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、古物商が提供するソフトウェハを使用し、本人確認用画像情報の送信を受けること
本人確認用画像情報とは古物商が提供したソフトウェアを使用して撮影させた相手方の容貌及び写真付き身分証明書の画像情報のことです。
つまり、本人の顔写真と顔写真付き身分証明書の画像を送付してもらいます。
ソフトウェハさえ準備できれば、簡便な方法です。
9.相手方から、住所、氏名、職業、年齢の申し出を受け、古物商が提供するソフトウェハを使用し、本人の容貌の画像の送信を受け、写真付き身分証明書等に記録された情報の送信を受けること
本人の顔写真とICチップ付き身分証明書のICチップ情報(氏名、住所、年齢又は生年月日及び顔写真)を送信してもらいます。
10.相手方から、電子署名が行われた住所、氏名、職業、年齢の記録の提供を受けること
電子署名されたPDFファイル等を電子メール等で送信してもらいます。
電子署名の方法はいくつかありますが、古物商における本人確認で認められているのは、次の方法です。
- 地方公共団体情報システム機構が発行した電子証明書と電子署名を行った住所、氏名、職業、年齢の情報を含むファイルを受け取る
- 政府から認定を受けた署名検証者が発行した電子証明書と電子署名を行った住所、氏名、職業、年齢の情報を含むファイルを受け取る
政府から認定を受けている機関には次の会社等です。
認定認証業務の名称 | 業務を行う者の名称 | 認定日 |
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株式会社日本電子公証機構認証サービスiPROVE | 株式会社日本電子公証機構 | 平成13年12月14日 |
CECSIGN認証サービス | 株式会社コンストラクション・イーシー・ドットコム | 平成14年3月26日 |
ソコムパスポートfor G-ID | セコムトラストシステムズ株式会社 | 平成14年7月4日 |
TOiNX電子入札対応認証サービス | 東北インフォメーション・システムズ株式会社 | 平成14年12月10日 |
TDB電子認証サービスType | 株式会社帝国データバンク | 平成15年2月5日 |
e-Probatio PS2サービス | 株式会社エヌ・ティ・ティネオメイト | 平成17年11月9日 |
DIACERTサービス | 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 | 平成26年2月6日 |
AOSignサービスG2 | 日本電子認証株式会社 | 平成26年7月31日 |
DIACERT-PUSサービス | 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 | 平成27年1月21日 |
e-Probation PSAサービス | 株式会社エヌ・ティ・ティネオメイト | 平成28年11月1日 |
11.2回目以降の取引で、1回目の取引において本人確認済であり、ID、パスワード等により確認すること
取引相手が以前取引した相手の場合、再度相手方の確認をする必要はなく、すでに確認済みであることを確かめればOKです。
具体的には、よくあるやり方で、ID,パスワードを発行する方法です。
相手方の協力が必要であるため、どの方法で確認を行うのか自分の事情だけで決めることはできませんが、いくつかの選択肢を相手に示し、協力してもらうようにしましょう。